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形見って、らしきものは無いんだけど。

テルッツが、よそ行きで着ていたダウンのハーフコートを、母親に上げた。温かいのよ。紳士物のLサイズだからワシでも着られるんだけど、着る度に泣くからワシじゃないほうが好い。
大事に着てくれれば、今度また、形見で帰って来るかも知れない。男共には、あげられる物が何も無い。

テルッツは、二人の倹しい生活を弁えていたから、高価な物など欲しがったりしなかったのよ。多趣味で何でも作っちゃうしね。

昔こんな話しをした。
「トシチャン、もしもテルが先に死んだら、テルの物は全部燃やしてね。」
「買った服などは兎も角、どの押入れもテルッツの物で一杯なのよ、それ全部でっか?」
「うん。」
その時ワシは思ったのよ。テルッツは、自分が一生懸命集めた趣味の材料や道具を、他の人に触られたくないんだなーと。この世でたったひとり、テルッツの世界に出入り自由な人間のこのワシに、そんな事を託したんだなーと。

テルッツ、はっきりと約束したわけではないけれど、テルッツの分身のようなこの家一杯にあるものを、未だに燃やせないでいる。
だって、総てを燃やしたら、引越して来る前の何も無い家になっちゃうでしょ。それに、沢山残していってくれた、愛のほんの一部の形あるものだしね。pig     つづく。

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