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「うーん。好い香り!」

「うーーーん。好い香り!lovely」 これは、テルッツが好い香りに触れた時、必ず発する言葉だった。和菓子屋さんで買って来た道明寺を食べる時、うなぎ屋さんの前を通る時、年に一回あるかないかのメロンを食べる時、お風呂上りのワシの頭を臭ぐ時、そして我が家の窓辺に咲く五月の薔薇が、華やかに香る時。
この陽気に誘われて、漸く我が家の薔薇が香りを放ち始めた。これで、五月を実感できる。薔薇の香りで、crying泣く事が出来る。去年の今頃は、二回目の緊急入院で、病院に居たけれど、五月半ばに退院した時に優しく迎えてくれた。
そうそう、香りで思い出した。 
お父ちゃんの家に泊まりに行くと、甥っ子や姪っ子、果てはお姉ちゃんや妹に至るまで、みんなが口にする言葉がある。「ていちゃんちの臭いがする。」 テルッツとワシにはthink、全く理解できなかったけど、嫌な臭いでは無く、好い匂いなのだと言う。この逆に、彼らが我が家に泊まりに来ると、「ていちゃんちの匂いだ。」と言うのだ。テルッツとワシは、理解出来ず、二人で頭を傾げるのだ。confident
ひとつ、思い当たる節がある。 かつて、ワシが幼かった頃、当時の柴又の実家では、母親の弟、つまりはワシの、若かった独り者の叔父と同じ四畳半の部屋で、ワシ等兄弟と共に暮していた。今の我が家があるのも、この叔父の御蔭なのだ。
ワシは、叔父の匂いを憶えている。五十代の若さで亡くなり、亡くなった後に、叔母によって建てられた今の家にでさえ、叔父の生きている匂いを感ずるのだ。そうゆう事なのか?
テルッツとワシは、余にも身近な存在で、お互いの匂いなど分らなかった。仕事帰りのワシに、「会社臭い!お風呂入りな。」って言ってたけど、それぐらいかな。
ワシは、テルッツの匂いを感じない、香水を付けた事も無く、化粧品も無香料だし、いつも清潔にしていて、お風呂が大好きで、spaこのお風呂上りのボディーソープとシャンプーの匂いしかしなかった。だから、house我が家の匂いって何だろう? ていちゃんちの匂いって何だろう?
テルッツは、この答を知らぬまま逝ってしまった。もしも、ワシが、この世界から居なくなり、テルッツとワシの二人を失ってしまうこの我が家にも、二人が生きている匂いを感ずる事が出来るのだろうか。多分、ワシも、「ていちゃんちの匂い」を、理解できぬまま、この世を去る事になるだろう。
我が家の薔薇は、枯れさえしなければ、約束した様に、年に二回、「うーーーン。好い香り。」を、放ってくれる筈だ。 sun特に、五月の気持ちの好い青空の下で。pig

つづく。

Maru-Jan     

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