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テルッツは、御ヒー様?

昼、習い事の準備の為、また八重洲に居た。pencil書類の記入に絶対必要な老眼鏡eyeを忘れて、四苦八苦してしまった。サインをした。pen 「これが、社会復帰へのきっかけになると好いですね。」事情を知る美人担当者の暖かい言葉だ。「いきなり、ハードな仕事に復帰するより、こうゆう形で、世間に出てこられた方が、好いかもしれませんよ。」これもまた、有難いアドバイスと言える。good
自分でも考えた。心療内科で悩みや不安を訴えるより、いや、待てよ。ワシには、悩みや不安など無いのだ。あるのは、テルッツを救ってあげられなかった自責の念と押さえようの無い心の底から込上げる悲しみだ。crying だから、厳しいノルマに追われることの無い習い事から、とっかかるのが好いのではないだろうか。
くだんの、手続き中に携帯が鳴った。見れば、御幼少の頃からのご学友、一説には悪ガキの頃からの悪ダチとも言う、つまりは、ダチからのTELである。このご学友のお父上お母上、平たく言えば、おやっさんとお袋さんには、ワシはまったく頭が上がらないのだ。今はもうお二方とも亡くなられているのだが、なんと、テルッツとワシの媒酌人をして頂いた、ますます頭の上がらない方たちなのだ。しかも、ワシは、独身時代、4年間も飯を喰わして戴いた。更に頭が、上がらない。このダチの家で、麻雀をしている時に、ワシ等のうしろで、コックリコックリしていたのが、sleepy他ならぬテルッツだ。だから、テルッツだって頭が上がらなかった。 「おい、テルミ。」とか呼ばれて。テルッツを、「テルミ」と呼ぶのは、テルッツのおとうちゃん以外で、このお人だけだった。
「今、家に居るのか?」
「いや、八重洲に居るよ。」
「例の、習い事ってやつか?」 
ブログを、チェックされているので、お見通しなのだ。築地の市場で働いているので、帰りに拾ってやるとの事、願ったり叶ったりである。車の助手席に乗るのは、考えてみればテルッツとの悲しいお別れの時、黒いキャデラックに同乗した以来になるのか。とにかく、ご学友も、いいオッサンになっての親父二人の帰り道であった。用事を済ませられる地元まで、乗せて貰った。どうも有り難う。しかも、築地ならではのお土産付き。なんとsign03毛ガニ2杯。cancer 豪華sign03
家に着いて、テルッツにご報告。「ただいま、テルッツ。なんと毛ガニ貰っちゃった!晩飯は、毛ガニだぜ、毛ガニ。」
さあ、飯、飯。テルッツは、蟹も海老も好き。ただし、自分の前に、お箸で食べられる様になったものを食べる。魚も好き。ただし、切身でも皮と血合いを取り除いたもの。丸ごとの魚、例えば、秋刀魚や鰯など、当家では、高級魚は出ない。干物にしてもだ。寄せ鍋の熱い海老の殻を剥き、カニの足の堅い殻を剥き、秋刀魚の身をほぐして、鰯の頭と苦い腸を取り除き、中骨の気にならない尻尾寄りの綺麗な身を取り分けて、鯵の開きは、中骨付き側の骨の裏側の一番美味しい所を、鰻の蒲焼に至っては、尻尾側の一枚を皮を取り除いて、皮は、ワシ。ワシはと言えば、これはもう、魚の骨格見本が出来るぐらい、上手に食べられる。子供の頃、お行儀が悪いと、箸のシッペが飛んできたから。なんせ、お上品な育ちだったから。食べ物を残そうものなら、次の食事は無いと知れ。sign02
とにかく、ワシは、飯の時、何でもテルッツが食べ易い様に、「はい、どうぞ。」と、直ぐにお箸で食べられる様にしていたのだ。しかも、お毒見役までやっていた。「うん、これは、テルッツが、好きな味だよーん。大丈夫、食べな。」などと言って。まるで、「御ヒー様」のようだった。でも、全然面倒くさい事など無かった。ワシは、テルッツのお世話が、大好きだった。その代わり、柑橘類の皮は、全部テルッツが剥いてくれた。「ビタミンC採らなきゃ駄目だよ。トシチャン!」 あとは、楊枝で食べられる様にしてくれた。 
入院中は、何もかも全部、くだものも総て、ワシが食べ易い様にしていた。嬉しくもあり、何とも言えぬお世話だった。どんな些細な事でも、「ありがとっつ。トシチャン。」と、言ってくれた。「テルッツ、ワシに有難うと言うなよ。とっつで十分でしょ。なんか、有難うは、よそよそしいよ。ワシには、とっつだよ。」二人には、二人だけの言葉がいい。二人だけのいつもの言葉。  「愛してる。」が、言葉より先に、Kissの様に。
毛ガニ、大変美味しゅう御座いました。テルッツもきっと喜んでいるでしょう。どうも有り難う。 殻を剥きながら、「お姫様」になった、テルッツを思い出し、涙が出てきた。crying 祭壇に向かい、あの濃厚な毛ガニの味噌を甲羅ごと啜り、「ズルズル」。そして、鼻水を啜り、「ズルズル」。pigsweat02   つづく。

ヒンドゥー占星術

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