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自分たちの家が建つ!?part2

いつの事だったかはっきり記憶がないが、90年の夏の盛りの頃だったと思う。飯を喰いに行った時、ワシの母親が、「お前たち、家賃毎月幾ら払ってる?毎月何万円も払ってるんだったら、家を建ててローン払うのと一緒じゃないの。」「叔父さんの家を取壊した跡地が事のほか大きいし、叔父さんが、帰って来て新しく家を建てるにしても、今ある土地に全部大きな家を建てる訳でもない。そこで、叔父さんに訊いて見た、そしたら、「いいよ。」って。」  知らない所で少しずつ話が進んでいたようだ。「今度、お前から電話して、叔父さんと話してみたら。」早速、連絡してみた。「おお、その話ね、いいよ、いいよ、家建てな。俺たち夫婦二人きりで住む家は、まあ多分定年まで帰れないから、その分の土地を空けておいてくれればいい。土地のどこに建てるかは、もうちょいと、考えさせてくれ。」叔父さんは、太っ腹なのだ。 叔父さん夫婦は、五年間の約束で福岡へ転勤していたが、延長延長になっていた。「この分だと、暫く東京へは帰れんだろ。」叔父さんもある程度、先を読んでいたようだ。その間、空家になっていたこの家は、東京で受験するワシの従兄妹たちの宿舎、そしてその後の学生生活や勤務の家となって年月を重ね、傷んで来た為に取壊されていたのだった。  暫くして、叔父さんから連絡が来た。「俺の家は、真中で。お前は、元の俺の家が建ってた所でいいかな?」「そりゃ、どこでも。」話はきまった。この時の事は、テルッツの日記にも記されてある。「嬉しいなっと、家は、奥に決まったよー。嬉しいな。ちょっと小さいけど、二人のお家だもん、嬉しいなっと!叔母さんも、お母さんも、お金貸してくれるって。嬉しいな。」それから暫くは、二人で家の間取りを一生懸命考えた。楽しい事で、知恵を絞るのは辛くないものだ。限られたスペースの中にあれやこれやと欲張ったりして。  この年の9月、知り合いの棟梁との相談が始まった。テルッツは、相変わらず頑張って婦人クリニックに通っていた。「女の子(生理)になったら、数日後にはきちんと薬飲まなきゃ。がんばるよ。ね、トシチャン。」  治療の辛さは、日記に一杯書かれてある、どんな薬を飲むのかも、どんな注射を射たれたかも。「家のローンは、ワシが返す。テルッツと一緒に頑張るよ。」  こんな一行があった、「もし、今、赤ちゃんが出来たら、お腹が大きいまま引越だ。大変だな。女の子になっても、また、がんばろっと。」  日記が、ワシの涙で汚れそうだ。  つづく。

Maru-Jan

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